笑福亭松鶴が気になったので読んでみた。
結構有名な本で、いつか読もうと思ってはいたのだ。
ちょうど七代目松鶴襲名問題で揺れていた頃に
出た本で、副題に「松鶴と弟子たちのドガチャガ」とある。
冒頭と終章が七代目問題に触れたところで、
中間は松鶴と松枝その他の弟子のエピソード満載
になっている。やはり松鶴のエピソードは面白い。
松枝の落語は聞いたことがないけれど
この本は柔らかく書かれていて読みやすかった。
松枝の松鶴周辺に対する心情もよく伝わった。
襲名問題は難しい。
名前を放っておけないという会社の事情と
誰が継ぐのか、という問題。
特に松鶴という名前への思い入れは強く、
鶴瓶が前に言っていたことを思い出す。
そんな鶴瓶に「松鶴を継げ」と落語会のトークで
言った小朝はどういう神経なのだろう。
そんなアホな人ではないと思うので。
結局、もめたということについては
仁鶴、そして松竹社長がよくなかったのか。
しかし、松竹の松鶴という看板を
吉本の仁鶴が継げない、というのは
しょうがないんじゃないかとも思う。
松鶴に限らず、大きな名前は継がれるときに
違和感があったり、軋轢があったりするものだ。
継いだ者は、それを乗り越えて、大きくなって
その名前にふさわしい芸人となること
を望まれる。
その難しいこと。
この七代目松鶴問題は意外な結末を迎え、終焉した。
その辺りのことも筆者に書いてほしいものだ。