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演芸ライフを報告する、小さな小さなメディア。2004-2006.
by chiroly_tokyo
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吉朝の死に様
 吉朝さんの晩年は病魔との闘いだった。99年11月に胃ガンの手術を受け胃の3分の2を切除した。昨夏に体調の不調を訴え、10月に再検査したところ胃ガンの再発が発覚。仕事を休養して週1回、抗ガン剤の投与で治療を続けた。
 今年8月には「お米とお豆腐 落語と狂言の会」で本格的に現場復帰するなど回復の兆しも見えたが、9月25日に京都市内の病院に再入院。その後、自宅近くの尼崎市内の病院に転院したが6日ごろから容体が悪化。あさ吉、吉弥ら7人の弟子と家族が見守る中、静かに息を引き取ったという。
スポニチアネックスOSAKA 上方落語次代のリーダー・桂吉朝さん死去
 先月27日、大阪市中央区の大阪国立文楽劇場で行った「米朝・吉朝の会」が最後の高座であり、師匠との共演だった。病院から医師が付き添って楽屋入りし、酸素マスクを携帯。まさに命がけの舞台で45分にも及ぶ「弱法師」を披露。「奇跡の」(関係者)ネタ下ろしだった。
なにわWEB 米朝悔し…愛弟子の吉朝さん死去

吉朝はなんて格好良い死に様だったのだろう。いろいろ調べてみて、そう思った。
最期の高座での客とのやりとり。
「四角く青白い顔に闘病のあとが見え「体調に波があって、体重が増えてくれんことにはスタミナが…」と話しだすと、会場から励ましの「吉朝!!」の声。すかさず「こっちよりええ声、出さんといて」と返して笑いをとる。」
いかにも吉朝らしい。クールで柳に風のように飄々としているように見せながら、燃え尽きるまで落語に命懸けで向かい合った。吉朝は家の近所に稽古場を借りて稽古をしていたという。並大抵の稽古量ではなかっただろうし、そんなことをひけらかさず、高座では「できれば演らずにさっさと帰りたい」くらいのことを言いながら、ため息が出るくらい巧い落語を聴かせてくれる。
上方落語界ではざこばとか鶴瓶が男っぽい頑なな感じがするが、どうして、吉朝は負けないくらい骨っぽい男だったんじゃないだろうか。

ニッポン放送「日曜日のそれ」(11/13)での鶴瓶。
昔、吉朝と鶴瓶が雑誌の対談をした話。今度、吉朝の会に鶴瓶がゲストで出る予定だった話。鶴瓶の愛宕山に吉朝が入っている話。

吉朝の落語は、鶴瓶の落語の中で生きている。
by chiroly_tokyo | 2005-11-13 22:33 | 落語
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